「正蔵 馬石 一之輔の会」@六本木スプラッシュ

 落語会です。会場は寄席やホールや劇場ではなく、ライブハウスかパーティスペースのようなものでしょうか。自転車で走りながら、おおまかな見当をつけて、西麻布の交差点あたりから、狭い道狭い道と入って行ったところにありました。六本木のクルマの入ってこられないような路地裏のマンションの一階に入口があって、店内のらせん階段で地下に降りていきます。入口脇には食券の自動販売機があったりしましたが、電源は入っていません。チケットを受け取る受付のあたりが、ふだんは食事のできるところのようです。カウンター席があります。端のほうには、そばの粉を挽く機械があります。
 らせん階段はさらに奥。降りずに、柵越しに見下ろす席もあって、そこには車いすのお客さんもいます。降りていくと、50弱の椅子が並べられていて、ほぼ満席ですが、並べようによっては、もっと椅子を増やせそうではあります。

 落語会というと、前座さんの開口一番があるものと思っていましたが、開演時間に、林家正蔵、隅田川馬石、春風亭一之輔の三人が、ふだん着で登場。あいさつと自己紹介を兼ねて、この三人会がどういう趣旨のものなのかを説明します。今回が第一回で、会を始めることになった経緯、なぜこの三人でやることになったのか、三人の関係などを、どこまで本気かどこまで洒落かよくわからない口調でしゃべります。三人は同世代というわけではなく、最年長と中間が7歳違い、中間と最年少が9歳違いとのことですが、だれが最年長とだれが最年少なのか、見た目ではわかりませんでした。


林家たこ平「時うどん」
正蔵の弟子。関西出身で関西の噺を関西弁で演じました。噺はともかく、関西弁で演じるのに、なぜ東京へ出てきて、正蔵に入門したのかが謎です。マクラで自己紹介をすると言いながら、名前さえも言わずに、いきなり本題に入ってしまいました。自己紹介も必要ですが、この噺をする時には、「九つ」「六つ」とかが今でいう何時ごろになるのかを、マクラでうまいこと説明してもらえないかと思います。お勉強的にならないように、噺の背景をわからせるのも話術、芸のうちでしょう。

春風亭一之輔「明烏」
ふだん着の時は、かなりの年配に見えましたが、着物に着替えて出てくると、年相応になりました。これは廓噺なので、マクラは廓の説明です。でも、洲崎は大阪ではなく、明治に入ってから東京にできた色町ではないか。若旦那が真面目一方の堅物で人の心の機微がわからないというより、ただのバカに見えてしまいました。それでいいのかな? 声、口跡はいいです。

林家正蔵「蜆売り」
マクラでは日立へ行った時に駅前のドムドムにいた女子高生に落語家というものをわかってもらえなかった話。東京にはドムドムはなくなったと言ってたけれども、ダイエーとかマルエツの中にあります。碑文谷のダイエーにもある。「蜆売り」は古典風の人情噺。もとは上方落語にあったものを書きかえたもののようです。悪くはないのですが、正蔵という人の持っているおかしみと、かなり生真面目なこの噺とがうまくかみ合っていないような印象です。間抜けで乱暴者の子分が出てくるところなど、おかしさが出るところもあるのですが、何か物足りなく感じました。まだ練り上げに時間がかかっているところなのかもしれません。

なかなか次が始まらないなと思っていたら、休憩を告知されました。みんなじっくりたっぷり語るので、確かにこのあたりで休憩はほしくなるところです。

隅田川馬石「八五郎出世」
マクラは出世ということについて。この方は兵庫県西脇の出身で、東京在住の西脇市出身者の親睦団体に年会費も納めているのに、西脇市市制施行記念イベントの落語会に呼んでもらえなかったというエピソード。
あるいは「妾馬」。何度も聞いた噺です。大名の側室になった妹が、世継ぎを産んだことで、お屋敷へ挨拶へうかがうことになった、がらっぱちな職人・八五郎が、どういうものか殿様に気に入られ、侍に取り立てられるというお話。いつも、続きがあるような終わり方をします。実際、続きはあるようですが、たぶんあまりおもしろくはないのでしょう、今まで一度もきいたことがありません。独演会というほどではないですが、かなりたっぷり持ち時間のある会なので、つづきのところまでやってほしかった。少なくとも、まだ続きがあるような終わり方にはしない、新たな挑戦が見たかったです。

 第一回なので告知も十分ではなかったみたいですが、次回はもっと観客も増えるでしょう。三人の組み合わせの趣旨はなんとなくわかるような気もしましたが、もう少しはっきりさせた方が得なのではないかと思います。仕切りもよく言えば手作り感があふれていましたが、次回に向けては休憩を入れるタイミングなど課題はいろいろありそうです。

 外へ出て、改めて周りを見ると、なんとも不思議でした。マンションがあり、一軒家もあり、どうみても風呂なしアパートらしい建物もあり、六本木の繁華街から徒歩5分圏内とは、ちょっと思えません。

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