「市川亀治郎×三響会特別公演~伝統芸能の今~」@鎌倉芸術館

鎌倉芸術館というホールへ行くのは初めてです。調べるまでは鎌倉か北鎌倉が最寄駅と思い込んでいましたが、実際には大船です。大船は、幕府のあった時代の鎌倉を考えると、その外側になりそうですが、現代の行政区分だと鎌倉市です。隣は鎌倉女子大学、元は松竹撮影所があったところです。駅を出て、まっすぐ向かおうとすると、通りの狭さに、こっちで本当にいいのかと疑問を抱きますが、やがて広くなります。迷わず歩いている人は、女子大へ向かう学生、キョロキョロしている人は初めて芸術館へ行く人でしょうか。

演目
1 舞囃子「道成寺組曲」
2 座談会
(休憩)
3 一調「屋島」
4 舞踊「藤娘」

 タイトルで「伝統芸能の今」と謳っていますが、たぶん何かタイトルが必要だからと、無理やりにつけたような感じです。この公演の目的は小児がんの子どもたちを支援するためのチャリティーにあって、出演者である市川亀治郎と三響会(亀井広忠、田中傳左衛門、田中傳次郎の3兄弟)がその趣旨に賛同したということのようです。手術費など治療に莫大なお金がかかることもありますが、完治した後にも、問題は残ります。学校へ行かれないことで勉強が遅れる、復学できても年下の子と一緒にされて馴染めない、履歴書に病歴を書かなければならない…
 座談会では「伝統芸能の今」は、ほとんど語られず、こうした小児がんの子どもたち(そして、闘病の末、完治して大人になった人たち)にのしかかる問題の数々でした。伝統芸能の今に生きる彼らが、こうした問題をどう受け止めたのかという話をしているので、間接的には「伝統芸能の今」を語る座談会だったと言えるのかもしれません。

 座談会で語られなかった分は、それ以外の演目が語っていたということでしょう。最初の「道成寺組曲」では亀治郎と三響会の全員が参加します。亀治郎と三兄弟の下2人は歌舞伎俳優と長唄囃子方、亀井広忠は能楽太鼓方で、伝統芸能の中でも別の世界にいて、通常ならこうした共演はありません。長唄の鼓と能楽の鼓とが融合し、謡曲の声に、亀治郎が素顔で踊りました。
 後半は通常の演目のおそらく短縮版でしょう。「屋島」が能楽として、「藤娘」が歌舞伎として演じられました。そこまでの流れから、「藤娘」も素踊りになるものと思いこんでいましたが、そこはありがたい方へ裏切られました。

 鎌倉芸術館の大ホールは、どういう目的で設計されたものなのかわかりませんが、鼓の音が能楽堂とも歌舞伎の劇場とも違った反響をしていたのが、よくいえば新鮮、ちょっと不思議でした。

カメ流
角川学芸出版
市川 亀治郎
ユーザレビュー:
亀治郎さんの魅力と精 ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る



ユーザレビュー:
呪師とワザヲギの対論 ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る



"「市川亀治郎×三響会特別公演~伝統芸能の今~」@鎌倉芸術館" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント