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zoom RSS シアタークリエ「レベッカ」

<<   作成日時 : 2019/02/05 02:13   >>

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 シアタークリエでの観劇。前回観た時は帝国劇場での上演だった。帝劇の大きな舞台だと、イギリスのコーンウォール地方にある大邸宅マンダレー館が豪壮なセットで再現されていたが、シアタークリエだと、もっと小さな枠組みに描かれた絵のようだった。

 もとは1938年にイギリスの作家ダフネ・デュ・モーリアが発表した小説があり、1940年にヒッチコック監督による映画化があった。このミュージカルはウィーンのミュージカル作家シルヴェスター・リーヴァイとミヒャエル・クンツェが、その両方の要素を取り入れて舞台かした。



 余談だが、ダフネ・デュ・モーリアの父ジェラルドは俳優で「ピーター・パン」の初演にダーリング氏とフック船長の2役で出演している。「ファインディング・ネバーランド」に出てくるシルヴィアはダフネの伯母(父の姉)、その母デュ・モーリア夫人はダフネの祖母。ピーター・パンのモデルになったピーター・デイヴィスはダフネの従兄で、成人して書籍編集者・発行者になったピーターはダフネの本を手がけている。

 小説にも映画にも共通していることだが、レベッカという人物は登場しない。物語の始まった時点で、彼女は既に亡くなっている。物語の中心になるのは、レベッカの夫だったマキシム・ド・ウィンターの再婚相手になった"わたし"とマンダレー館の家政婦長でレベッカに心酔していたダンヴァース夫人。
 "わたし"は21歳。両親を亡くした天涯孤独の身の上で、アメリカ人の富豪ヴァン・ホッパー夫人のコンパニオン(この場合は旅のお供をするなどの従者)をしている。立場の弱さから常に遠慮がちというか消極的というかとにかく強い態度に出ることができない。
 そういうところに魅力を感じたマキシムは"わたし"に求婚するが、"わたし"はマキシムの愛情を心の底からは信じられずにいる。それでも、求婚は事実で"わたし"はミセス・ド・ウィンターとして、マキシムの屋敷マンダレー館に入る。

 この館を事実上支配しているのはレベッカ付きの家政婦として、この屋敷に入ったダンヴァース夫人。彼女はレベッカに心酔していて、"わたし"をミセス・ド・ウィンターとは認めようとしない。彼女の見解ではミセス・ド・ウィンターとはレベッカのこと。館の中のレベッカが使っていた部屋は家具は、彼女が生きていた時のままになっている。ダンヴァース夫人はレベッカに関わる暗い情熱を歌い上げる。この歌は彼女の心の叫びで、その場にいる"わたし"には聞こえていない。ダンヴァース夫人のレベッカに対する執着にも気づいていない。
 常に受け身だった"わたし"も、ダンヴァース夫人に騙されたのに気づいたことから、内気な引っ込み思案の奥に強い炎があるところを見せ始める。2幕序盤のダンヴァース夫人とのデュエットは、その現われだろう。その後も"わたし"のダンヴァース夫人との対立、対決は激しくなっていく。
 ひ弱に見えた"わたし"は次第にミスス・ド・ウィンターとしての立場を強めていき、ダンヴァース夫人はそれを脅威に感じてか、より攻撃的になる。暴力的にではないが、心理的に追い詰めようとする。

 "わたし"は気づいていないが、おそらくダンヴァース夫人はレベッカの死に疑念を抱いている。レベッカ付きとして、マンダレー館に来た彼女が、レベッカの死後もここに残っているのは、確実な証拠を掴んで、マキシムを追い詰めるためだろう。
 この謎解きの部分は、原作が1938年に発表された小説であり、また1920年代後半の時代設定なので、現代人の目で見てはいけない。法医学の専門家でなくても現代人なら一般的な知識として知っている程度のことで、真相を隠そうとする作為には疑問を抱かざるを得ないだろう。
 そうして、暴かれたこと、暴ききれなかったことから、"わたし"とダンヴァース夫人の対立・対決は決定的な結末を迎える。

 私("わたし"ではない)が観た回の"わたし"とダンヴァース夫人は、今回の公演からの新キャスト。"わたし"(平野綾)の秘めていた強さ、ダンヴァース夫人(保坂知寿)の暗い情熱と狂気、その両者の対決に見どころがあった。
 小説(新しい翻訳が出た)も映画も観たことがあるが、久しぶりに読んで(観て)みようかと思う。


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