音楽朗読劇「モリー先生との火曜日」@ティアラこうとう

 ティアラこうとうは、うちからはあまり近くないのですが、この1年くらいに何度か行く機会がありました。片道で20キロちょっとなので、天気さえ悪くなければ、他の用事がない日であれば、自転車で行くのには適当な場所だとも考えられます。タイトルとは違って、公演は土曜日で、天気も上々でした。

 音楽朗読劇と銘打たれていますが、音楽劇も朗読劇もミュージカルも定義は緩やかです。強いて言うと、朗読劇では俳優が台本を手にしていますが、あまり読んでいるようには見えません。形式上、台本を持っているだけで、セリフは頭に入っているのでしょう。音楽劇とミュージカルの違いも難しいところですが、いずれにしても音楽・歌が入った劇であることは確かです。
 音楽朗読劇「モリー先生との火曜日」は、アメリカのスポーツライター、ミッチ・アルボムの書いたノンフィクションを元に、まずNHK-FMでラジオドラマとして作られ、その後、音楽朗読劇の公演へと発展したものです。物語はミッチ(吉原光夫)が卒業以来、疎遠になっていた大学時代の恩師モリー・シュワルツ先生(光枝明彦)がALSという難病と闘っていることを知り、妻ジャニーン(土居裕子)の強い薦めもあって、モリー先生を訪ねる決心をするところから始まります。
 ALSは全身の筋力が徐々に失われ、やがて死に至る病気です。治療法はありません。死の直前まで意識は正常で、患者は少しずつ確実に近づいてくる死と直面することになります。快活だったモリー先生は、体の自由が失われることとそれに続く死を恐れながらも、自分が自分らしく生きる意味を考えています。そして、自分の生きる意味を見失いそうになっている、かつての教え子ミッチにも、生きることの意味を伝えようとする。そうして、毎週火曜日のモリー先生とミッチとの授業が始まります。

 モリー先生と方向は違いますが、ミッチも死と直面することになります。死について、また生きることについて、考えることを避けて来た問題に向き合います。一般的な人の生き死にではなく、特定の、親しい人の生き死には理の面と情の面とがあります。理を語るには朗読がふさわしく、情に訴えるには音楽が適しているのかもしれません。
 生と死については奇跡は起こらず、モリー先生は人生という舞台から退場していきます。その瞬間に、ステージ後方の幕が開いて、それまでと別の光景が広がりました。残された親しい人たちにとって彼の退場は、彼のいない新しい世界の幕が開いたのだということでしょうか。


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