「My One And Only」@青山劇場

 1983年のトニー賞受賞作、1985年にトミー・チューンとサンディ・ダンカンのコンビで来日公演がありました。今はなき新宿厚生年金会館へ観に行った覚えがあります。ずいぶん前のことなので、微かな記憶と印象ですが明るく楽しい作品でしたが、なぜかそれきり日本で上演されることはありませんでした。

 「My One And Only」はガーシュウィンの曲で構成されたミュージカルで、1927年に上演された「Funny Face」を土台に、別作品の曲も加えてつくられています。のちの「Girl Crazy」⇒「Crazy For You」、「Of Thee I Sing」⇒「Nice Work If You Can Get It」の先駆けになった作品ということです。

 時は1927年。「Funny Face」初演と同じ年です。ビリー・バック・チャンドラー(坂本昌行)は冒険飛行家で、整備士ミッキー(大和悠河)の協力を受けながら大西洋横断飛行を目指しています。ビリーはたまたま見かけた水中バレエの花形イーディス・ハーバート(大和田美帆)に一目惚れ。大西洋横断を忘れたわけではないのですが、彼女の気を引きたいと謎の紳士マジックス(川平慈英)の助言でファッショナブルに変身し、イーディスもまんざらではなさそうなのですが、水中バレエ団のボス、ニキ(鈴木綜馬)の動きが不穏です。ビリーとイーディスの恋の行方は? またビリーは大西洋横断ができるのか?

 ストーリーはともかくテイストは「クレイジー・フォー・ユー」にそっくりです。同じ曲がたくさん使われていることもありますが、後発の「クレイジー・フォー・ユー」が、こちらを参考にしたのでしょう。思い込んだら一直線に進むビリーとボビー、最初は戸惑いながらも次第に心を動かされるイーディスとポリー、異国的な雰囲気を漂わせるニキとザングラー。一目惚れ⇒紆余曲折⇒ハッピーエンドという流れと、タップを主にしたアイディア豊富なダンスが楽しい時間を作り出します。
 「クレイジー・フォー・ユー」でおなじみの「I Can't Be Bothered Now」「Nice Work If You Can Get It」が別アレンジで違った面を聴かせてくれたり、一幕の「S'Wonderful」「Strike Up the Band」、二幕の「Kicking the Clouds Away」など、ガーシュウィン・ナンバーの楽しさ満載でした。 映像でブロードウェイ・キャストによるパフォーマンスをいくつか見ることができますが、演出・振付がオリジナル版に敬意を払っているのがわかります。

 キャストはそれぞれ持ち味発揮でよかった。このままで再演というのもいいし、ほぼこのメンバーで「雨に唄えば」も楽しそうです。イーディスの大和田美帆はツイッギーと違って澄んだ歌声なので、キャシーはさらに似合うかもしれません。


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