「アルターボーイズ」@新宿FACE

 新宿FACEという会場は初耳でした。調べてみたら、歌舞伎町の噴水があった広場を囲むビルの7階にあるライブハウスのようです。最初に見つけたエレベーターは楽屋行き。外側を回ったところにあったのは4階だか5階だかまで。内側に入ってみて、ようやく7階へ上がれるエレベーターを見つけました。チケットの半券を切ってもらったところで五百円のドリンクチャージを払ってドリンクチケットを受け取ります。開演時間が迫っていたので、休憩時間にでもと思ったら、この公演には休憩がありません。オフ・ブロードウェイのニューワールド・ステージで観たのですが、すっかり忘れていました。急遽、コーヒーをもらって客席へ。カウンター席などテーブルのある席もありましたが、ほとんどは普通の椅子だけでしたが、大丈夫なのでしょうか。

 「アルターボーイズ」は、同名の5人組コーラスグループによるツァーの最終公演という設定になっています。会場はオフ・ブロードウェイで観たときはマディソン・スクエア・ガーデンやラジオ・シティ・ミュージック・ホールではなくニュー・;ワールド・ステージ。今回は東京ドームや日本武道館ではなく新宿FACE。
 原題のAltar Boyを辞書で引くと、キリスト教会の祭壇奉仕者を務める少年と出ています。このミュージカルのアルターボーイズはマシュー(マタイ)、マーク(マルコ)、ルーク(ルカ)、ホアン(ヨハネ)という福音書を伝えた使徒と同じ名前です。そこにひとりユダヤ人のアブラハムが加わります。彼らは福音を伝える、現代社会に生きることで汚れてしまった魂を浄化するためにライブ活動をしているのです。
 魂が浄化されたかどうかは、ステージ右手に設置されたメーターに、汚れた状態の魂の数が表示されます。ライブの進行とともに、その数は減っていきますが、ところどころでメンバーの中に邪念を持つ者が出てきたりして、なかなかゼロにはなりません。マルコが同性愛者としてマシューのことが好きだったり、ろくに学校へ行っておらず一般常識に欠けるルーク、ヒスパニックのホアン、ユダヤ人のアブラハム。マシューは良識的な発言を繰り返しますが、邪念に対する想像力が自分自身のものに対しても含めて鈍い。最後に4と残るのが使徒と同名の4人で、ユダヤ人のアブラハムの魂は浄化されているのが皮肉です。
 オフ・ブロードウェイで観た時に思ったことですが、この福音を伝えることで魂を浄化するという設定の本気度と皮肉度の割合はどうなっているのでしょうか。作り手の側はセリフに"進化"という単語が出るたびに、それは聖書にはないと指摘するセリフが入るなど、からかう意図が見えますが、観ている人はどうだったのか。また、キリスト教的な道徳観が根底にない日本人の私には、正面切って"魂の浄化"と言われるとカルト宗教の勧誘を連想してしまいます。ほんとうはそういうことではなく、様々な文化や宗教、いろいろな民族が集まって成り立っている社会が、微妙なバランスによって成り立っていることが根幹にあるのでしょう。
 

Altar Boyz
Ghostlight
2005-05-17
Various

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