「魔法をすてたマジョリン」@劇団四季自由劇場

 6月末から7月上旬の猛暑が、下旬になるとなぜか涼しくなりました。早くから暑かったせいか、セミの鳴き声が少ないような気がしましたが、よくよく考えると、まだ鳴き始める時期ではなかったのかもしれません。この日、自転車で品川付近を通るとミンミンゼミが、泉岳寺あたりへ来るとアブラゼミの声が聴こえてきました。小中学校が夏休みに入る時季となれば、例年より少なめだとしても、それ相応の場所へ行けばセミは盛大に鳴き始めるようです。

 「魔法をすてたマジョリン」はタイトルから想像できる通り、ファミリー・ミュージカルです。小学校の頃、学校で日生劇場へ四季の「どうぶつ会議」を観に行ったのは6年生の時でしたが、この日はもっと小さな子たちが多く、座席にクッションを置いて座っている子が目立ちました。
 
 主人公のマジョリン(若奈まりえ)は123歳。魔女の世界ではまだ小学生の子どもです。親はおらず、ばあやのカラス、ブツクサス(はにべあゆみ)が彼女の保護者です。あれをやっちゃダメ、これをやっちゃダメと口うるさいのは、自分のためを思ってということはわからないでもありませんが、小学生のマジョリンは好奇心と行動力が旺盛です。子どもが入ることは禁じられている、年に一度の魔女のお祭りを見物したいと、こっそり忍び込みます。
 花に化けてお祭りをのぞいていたマジョリンは、ニラミンコ(神保幸由)にあっさり見つけられてしまいます。お祭りに忍び込んだ子どもへの罰は、刻んで絞ってカクテルの材料にしてしまうこと。許されるためには一週間あとに行なわれる魔女の検定試験に合格しなければならないと、魔女のリーダー、オカシラス(岡崎克哉)に宣告されます。
 検定に合格する優秀な魔女とは、悪いことをたくさんできること。マジョリンたちはニラミンコに睨まれながら近くの村へ行って、「一日一悪」をはたらこうとします。
 マジョリンは、せっかくたわわになったサクランボの実を落とし、タツロット(渡邊今人)が花嫁(原口明子)と暮らすために建てた新築の家を壊し、それを旅の2人連れ、プレッツェル婆さん(横田有紀)とその孫ステファン(石井亜早実)のせいにすることに成功します。最初は喜びますが、火あぶりにされそうになった2人を助けるために、ダビッド(渡久山慶)という若者が自分がやったと罪を被ろうとしたことで、マジョリンの心は混乱、考えた末に、本当は自分が魔女で、自分の仕業だと言うだけ言って、その場から逃げ出します。

 マジョリンは試験に受かるための勉強をしようとしますが、手につきません。頭に浮かぶのはダビッドのことばかりです。恋ということだけでなく、彼がなぜ2人の身代りになろうとしたのかも考えてしまいます。
 そして試験の日。合格できなければカクテルの材料です。そこへダビッドがやってきます。ステファンがひどい病気なので、魔女たちの山にしかない薬草を取りに行くというのです。マジョリンは試験のことは後で考えることにして、ステファンを助ける薬草を取りに行きます。
 ステファンを助けたことで、マジョリンはまずステファンから友達と認められ、ついでダビッドにも、そして村人たちの仲間として受け入れられます。それは、つまり魔女社会に反旗を翻すことになります。実はマジョリンの母も祖母も、人間に味方しようとしたために、魔女界から抹殺されたことも明らかになります。マジョリンも魔女界と戦わなければなりません。
 絶大な力を持つ魔女たちですが、弱点もあります。「マーズ・アタック」の火星人や「怪獣大戦争」のX星人との戦いと共通するところがありますが、より重要なのは客席の子どもたちも参加することです。
 そうして魔女たちとの戦いに勝ったマジョリンと村人たち。めでたしめでたしではあるのですが、マジョリンは小学生の子どものように見えても123歳です。マジョリンが村の人たちにどういう受け入れられ方をするのことになるのか、気になります。 魔法を捨てたので、人間と同じような年の取り方になるのでしょうか。

 マジョリンの気持が揺れ、心が動くこと。物事を真っ直ぐに見ていて、良いことにも悪いことにも真っ直ぐに進んでしまうあたりが、子どもらしく思えます。若奈まりえという名前は初めてみたと思いますが、新人なのでしょうか。プログラムに何の説明もないのでどういう人なのかはわかりません。小学生のようにも見えてくる不思議な存在感がありました。
 終わってしばらくして気づきましたが、魔女たちは最後まで人間に悪さをする敵のままでした。絶対的な悪というには、かなり間の抜けたところもあるので、どこかで心を入れ替えて、みんなで仲良くという結末を予想していたのですが、そうはならず、ある意味、意外な結末でした。

 カーテンコールで、キャストは通路を走ってロビーへ。子どもたちとの握手会になっていました。上演中だと違う反応をするかもしれませんが、終演後のロビーでは遠慮してしまい、子どもたちとキャストたちを避けながらとなり、外へ出るのに一苦労でした。




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