映画「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」

 本編が始まる前にPARCOのロゴマークが表示されたけれども、配給とは関係なさそうだ。舞台劇「メアリー・スチュアート」の日本上演はパルコ劇場だったから…ということもないと思う。


 違うアプローチではあるけれども、この映画もスコットランド女王メアリー・スチュアートとイングランド女王エリザベス1世の物語。原題は“Mary, the Queen of Scots”で中心はメアリー・スチュアート。イギリスで作られたイギリスの史劇なので、最初の場面は説明不要なのだろう。すぐにメアリーがフランスからスコットランドへ、女王として帰ってきたところに戻る。


 彼女は若く向こうっ気が強く、また寛容であろうとする。自身はカトリックだがプロテスタントを排除しないと宣言する。
王位が正統かどうか、エリザベス1世とは対立関係にあるが、戦争は避けたい。ここでは王位継承の要件として血筋が問題にされる。性別は反感の理由にはなるが決定的ではない。問題を複雑にするのは宗教で、彼女がカトリックの立場からプロテスタントや英国国教会に寛容と宣言しても、プロテスタントや英国国教会側は寛容ではない。エリザベスは政権内部の政争も百戦錬磨だが、メアリーはそうではない。

 直接の戦闘ではスコットランドが優位だが、権謀術数の争いになると、メアリーは勢力を少しずつ削がれていく。メアリーが信頼し頼れるのは、自分と同じ立場にあるエリザベスしかいなくなってしまう。エリザベスはメアリーを庇護しようとするが、ついには守り切れなくなる。それでも、メアリーと交わした約束は守る。

 この映画は、史実を踏まえてはいるものの、メアリーとエリザベスが実際に対面したことはなかったという。

 メアリー・スチュアート役のサーシャ・ローナンは何年か前にブロードウェイで「るつぼ」のアビゲイル役だったはず。陰謀を企てる側から陥れる側になったとも言えるが、いずれも陰謀に呑み込まれたとも言える。



メアリー・スチュアート
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