東京芸術劇場プレイハウス「ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812」

 略して「グレート・コメット」。「戦争と平和」は読んだことがあるが、断片的に覚えているところがあるくらいで、ほぼ忘れている。第二巻第五部の物語が中心だが、ピエールとドロホフの決闘など、別のところにあるエピソードも織り込まれている。

 ピエールは時にピョートルと呼ばれる。ロシア人としては、その方が一般的だろう。エレンもロシア風ならエレーナになりそうに思うが、誰もそうは呼ばない。フランス人かなとも考えたが、兄がアナトーリだから、それはない。

 ピエールはほとんどの時間、舞台の上というか観客から見えるところにいる。小説のような記録のような文章を書いている。その主語が「私」だったり「ピエール」だったりする。すべての出来事は、現実ではなく大彗星に映し出された幻想を、彼が書きとめているとも受け取れる。大彗星が接近したのは1811年なので“1812年の大彗星”は比喩。何の比喩なのか。1812年の大彗星とは何だったのかは、結末に示される。アナトーリがもたらす魂の激動は振り払われたが、平安に落ち着いたというわけでもない。何事も起こらない平安よりも、大彗星に象徴される激しさの中に幸福を見出すことを選んだのか。

付記
①19世紀初期だと近代的な郵便制度はまだないので、手紙のやりとりは(遠距離なら)日本でいう飛脚が使われたか、(市中なら)召使が手紙を届けて返事を受け取って戻るというようなやり方だろう。
②駆け落ちの場面の音楽から「屋根の上のヴァイオリン弾き」のグラスを踏み割ってからの展開を思い出した。

 そういえば今年初めての観劇だった。劇場へは何度か行っているけれども、これまではコンサートだった。



 
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