観劇記と読書記

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zoom RSS KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ「出口なし」

<<   作成日時 : 2019/01/30 16:36   >>

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 キャスト表には首藤康之・中村恩恵・秋山菜津子の3人の名前しか書かれていないが、実際には4人。4人めは演出・上演台本でクレジットされている白井晃。案内人として登場する。

 最初にひとりめの人物、男が部屋へ案内されてくる。あとから女性がひとりずつ連れてこられて3人になる。部屋は異様な空間だ。
 ソファー、スツール、椅子。ひとりにひとつずつの座るところがある。窓はない。洗面台はあるが鏡がない。持ってきたはずの歯ブラシもない。栓をひねっても水は出ない。壁には4つの額が掛けられている。何かが描かれているようだがわからない。灯りはつきっぱなしでスイッチはない。3人ともここでずっと過ごすことになるらしいのに寝台がない。呼び出しのベルがあるが鳴るかどうかはわからない、というよりほとんど鳴らない。

 ここがどういう空間なのかはやがてわかる。見ず知らずの3人がなぜここに連れてこられたのかは3人それぞれが語るが、話していることが本当かどうかはわからない。ただ3人はここから出られない。

 サルトルが書いた戯曲で、1944年にパリで初演されたという。1944年は「パリのアメリカ人」の物語の1年前だ。1945年のパリに生きる人々が終わったばかりの戦争について、どう言っていたか。これはその比喩と考えると腑に落ちる。
劇作家サルトル
作品社
山縣熙

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