rakugoオルタナティブvol.11「若武者はしる」@博品館劇場

 同じ出演者による昼の部と夜の部があり、演目の一部が事前に発表され、チラシにも掲載されていました。私が観に行ったのは夜の部ですが、昼夜通しで観た人もいたようです。出演は、今年真打に昇進する春風亭一之輔と古今亭菊六、それにD-BOYSの和田正人。落語家の2人は噺を二つずつ、うち一つが事前に発表されていました。余談ですが、落語家2人はなぜか同じような髪型。ひとりは朝剃ってきたような、もうひとりは一週間前に剃ったような感じでした。和田正人は初めて落語に挑戦するという趣向で、さすがに彼だけは昼夜共に同じ噺(棒鱈)となっていました。

 博品館劇場の舞台の上に、一段か二段高い台を組んで、その上に座布団。舞台に向かって左側にめくりがあります。前座がいないので、演者が登場の時に自らめくりで自分の名前を出し、それから高座へと上がります。

「鈴が森」一之輔
先輩格の泥棒が新米に、追い剥ぎの口上を指導しながら現場の鈴が森へと向かいます。いくら教えても、ろくに口上の言えない新米の間抜けぶりはよかったと思います。ちょっと引っ掛かったのは、遠くてたいへんという意図と思われるくすぐりで上尾という地名が出てきたことです。電車があればいいんですけどね。

「棒鱈」和田正人
この俳優のことは知らなかったのですが、学生時代は陸上部にいて箱根駅伝で走ったこともあるのだそうです。たまたまなのかちょうどなのか、復路の日だったので、昼の部の時間だとすぐそばでゴール前のデッドヒートが展開されていたかもしれません。落語に挑戦、というだけでかなりの難行が想像できますが、「棒鱈」は隣り合わせた部屋でのやりとりが並行して進む、しかも江戸っ子と田舎侍が登場するので、みるからにハードルが高そうな噺です。率直に言って、無謀だったのではないかと思います。ハードルを跳び越さずにぜんぶ倒して走り抜けたようでした。走り抜けたことは立派だと言うことはできます。

「井戸の茶碗」菊六
江戸市中を歩きまわって商売する正直者の屑屋さん。裏長屋の貧しい浪人から仏像を預かり、それを通り道の細川屋敷の武士が買い取り、買い取った武士が仏像を洗っていると中から大金が出てきて、そのお金は誰のものかでひと騒ぎ。話が落ち着いたところで、御挨拶代わりにと贈った茶碗が実は天下の名品とわかり、さらにまたひと騒ぎ。最後にもうひとつ大切な宝が動いてめでたしめでたしとなる噺。丁寧に演じられていたと思いますが、ずいぶんと長く感じました。そして、実際長かった。似たようなことが繰り返される物語なので、丁寧に演じると長くなるのかもしれません。いつもはもっと端折ったものを聞いているということでしょうか。

ここで仲入り。
全体で2時間くらいかなと予想していたのですが、前半だけで、かなりの時間が経っていました。後半は落語家2人が順番を入れ替えて、一席ずつ演じるという進行でした。

「替わり目」菊六
「花見の仇討」一之輔
菊六は前半の「井戸の茶碗」が講談ネタの人情味の濃い噺、後半が酔っぱらった男の滑稽な噺。一之輔は前半も後半も滑稽味の濃い噺でした。2人とも今年中に真打に昇進ということですが、この噺の選び方は、これからの2人がどういう落語家を目指すかと関わりがあるのでしょうか。 それにしても正月早々の「花見の仇討」という選択はかなり挑戦的です。

最後に出演者全員の"座談"とプログラムにはありますが、全員立ったままでの話でした。昼の部では、そのことについての言及があったそうです。



春風亭一之輔
インディーズ・メーカー
2011-03-25
春風亭一之輔
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 春風亭一之輔 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by この落語家に訊け! いま、噺家が語る新しい落語のかたち の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



DVDワザオギ落語会 Vol.7
インディーズ・メーカー
2011-12-05
落語
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by DVDワザオギ落語会 Vol.7 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 落語への招待 3 (別冊歴史読本 31) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



D-BOYS STAGE 2011「ヴェニスの商人」 [DVD]
ポニーキャニオン
2011-09-07
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by D-BOYS STAGE 2011「ヴェニスの商人」 [DVD] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル








この記事へのコメント

この記事へのトラックバック